初心者向け講座!Final Cut Proの使い方:動画取り込み、カット編集/文字入れ、書き出しなどの方法をご紹介
「Final Cut Pro」は、Appleが開発・販売するMac向けの高性能なノンリニアビデオ編集ソフトです。映画、テレビ番組、YouTube動画など、様々な動画編集に使用されています。有料版だけでなく、無料版も提供されているため、「Macで動画編集を学びたい」「Final Cut Proを無料で試してみたい」という方も気軽にインストールして使用できます。
Final Cut Proに初めて触れるという初心者の中には、ダウンロード・インストール手順や具体的な使い方を知りたいという人もいるのではないでしょうか。
そこで本文では、Final Cut Proの特徴・機能やダウンロード・インストール手順、具体的な使い方について解説します。参考にしながら、Final Cut Proを活用して素敵な動画を作成していきましょう。
目次
(1)【使い方を知る前に】Final Cut Proとは?特徴・機能について
(2)Final Cut Proの無料体験版と有料版の違いは?
(3)Final Cut Proの使い方❶ :ダウンロード・インストール方法
(4)Final Cut Proの使い方❷ :初期設定方法とワークスペースの構成
(5)Final Cut Proの使い方❸ :初心者向け動画編集方法
(6)Final Cut Proと他の動画編集フリーソフトを徹底比較
(7)Final Cut Pro無料版の使い方まとめ
(1)【使い方を知る前に】Final Cut Proとは?特徴・機能について
「Final Cut Pro」とは、米国のApple社によって開発され、映画、テレビ番組、YouTube動画など、様々な動画編集に使用できるアプリケーションです。無料版と有料版が提供されており、基本的にはプロ向けのソフトウェアです。
Final Cut Proの機能は動画編集、音声や音楽の編集、エフェクトの作成、合成などです。また、機械学習によるライトとカラーの補正が可能で、AIが自動的に映像の色味を分析し、最適な補正を施することができます。
Final Cut Proの対応OSは「MacOS」のみです。
- Final Cut Proの主な機能・特徴
- 🟠 直感的な磁気タイムラインで、動画クリップを簡単に編集できます。
- 🟠 マルチカム編集により、複数のカメラで撮影した映像を同期して編集できます。
- 🟠 360度ビデオ編集にも対応しており、VRコンテンツも作成できます。
- 🟠 高度なカラーグレーディング機能で、映像の色味を調整できます。
- 🟠 豊富なエフェクトとトランジションを使って、プロのような映像に仕上げることができます。
- 🟠 Final Cut Pro X 10.8では、機械学習による新しいライトとカラーの補正エフェクトが追加されました。
- 🟠 音楽制作ソフトLogic Proと連携して、BGMを編集することができます。
- Final Cut Proのメリット
- 👍 直感的な操作性により、初心者でも使いやすいです。
- 👍 高度な機能を搭載していて、プロユースにも適しています。
- 👍 Mac専用ソフトであるため、安定性が高いです。
- 👍 買い切り型のソフトなので、ランニングコストが不要です。
- Final Cut Proのデメリット
- 👎 Mac専用ソフトなので、Windowsでは使用できません。
- 👎 他の動画編集ソフトと比較して価格が高いです。
- 👎 アップデートの頻度が少なく、新機能の追加が遅いという声もあります。
(2)Final Cut Proの無料体験版と有料版の違いは?
Final Cut Proには、90日間の無料体験版と、一括購入の有料版があります。機能面では両者の間に違いはありませんが、それらはいくつかの点で異なります。
概要/ソフト | Final Cut Pro無料体験版 | Final Cut Pro有料版 |
---|---|---|
機能 |
制限なく、すべての機能を利用できます | 制限なく、すべての機能を利用できます |
期間 |
90日間のみ利用できます | ライセンスを購入すれば永続的に利用できます |
価格 |
無料 | 36,800円(税込) |
その他 |
Final Cut Pro追加コンテンツ(ロイヤリティフリーのサウンドエフェクトなど)は利用できません | Appleサポートが提供されます |
(3)Final Cut Proの使い方❶ :ダウンロード・インストール方法
早速、Final Cut Proのダウンロード・インストール方法について解説していきます。
- Final Cut Proの推奨スペック
- 🟠 macOS 13.5以降
- 🟠 8GBのRAM(16GBを推奨)
- 🟠 Metalに対応するグラフィックカード(IntelベースのMacコンピュータのみ)
- 🟠 5.9GBのディスク空き容量
一部の機能にはAppleシリコンを搭載したMacが必要です。一部の機能にはインターネットアクセスが必要です。使用料がかかる場合があります。Blu-rayディスクの作成にはBlu-rayドライブが必要です。
-
まずは、Final Cut Proの公式ページにアクセスして、少しスクロールすると、下の画像のように「無料で体験する」というボタンが表示されているので、そのボタンをクリックしてください。または、上部の「フリートライアル」ボタンをクリックします。
-
「Final Cut Proを90日間、無料で試してみませんか。」という画面に切り替え、「今すぐダウンロード」ボタンをクリックすると、Final Cut Pro無料体験版をダウンロードできます。
-
ダウンロードされたディスクイメージ(FinalCutProTrial.dmg)をクリックして、インストーラパッケージ(FinalCutProTrial.pkg)をダブルクリックしてください。
-
表示されるガイドに従って操作するだけで、MacにFinal Cut Proをインストールできます。
(4)Final Cut Proの使い方❷ :初期設定方法とワークスペースの構成
次に、初期設定方法とワークスペースの構成について以下のコンテンツを解説していきます。
- 初期設定方法
- Final Cut Proを初めて起動すると、チュートリアルが表示されます。チュートリアルを終了するか、スキップして後で表示することが可能です。チュートリアル終了後、以下の初期設定を行うことをおすすめします。または上部のツールバーにある「Final Cut Pro」→「環境設定」をクリックして設定画面が表示されます。
- 🟠 一般
- 言語、単位、プロジェクトのデフォルト設定などを設定します。
- 🟠 編集
- 編集モード、スナップ、タイムライン、ショートカットキー、再生速度などを設定します。
- 🟠 再生
- プレビューウィンドウ、オーディオ再生、タイムライン表示などを設定します。
- 🟠 読み込み
- メディアの読み込み方法、ファイルの整理方法、デフォルトのインコーディングなどを設定します。
- 🟠 出力先
- 書き出し形式、画質、フォーマットなどを設定します。
- ワークスペースの構成
- Final Cut Proの作業画面(ワークスペース)では主に5つのウィンドウで構成されています。
- 🟠 サイドバー
- 「ライブラリ」「写真とオーディオ」「タイトルとジェネレータ」の切り替えとそれぞれの表示ができます。
- 🟠 ブラウザ
- ブラウザはサイドバーに表示されたライブラリなどを選択すると、内容が「クリップ」として表示されます。
- 🟠 ビューア
- ビューアはタイムラインの動画をリアルタイムで見ることができます。実際に動画完成時の動きを確認できます。
- 🟠 インスペクタ
- インスペクタでは、動画の細かい調整やアニメーションの設定などを細かく設定することができます。
- 🟠 タイムライン
- タイムラインは動画素材やテキスト(テロップ)素材、音楽素材などを実際に配置する場所です。
- ライブラリ・イベント・プロジェクトの新規作成
- 動画編集を始めるには、まずライブラリ、イベント、プロジェクトを新規に作成しましょう。
- Final Cut Proでは、これら3つの階層を使用して各種ファイルを管理しながら動画編集を行います。
- 1ライブラリの新規作成
- Final Cut Proを起動して、画面上部の「ファイル」→「新規」→「ライブラリ」の順にクリックして、新規作成できます。
- 管理しやすさのために、理解しやすい「ライブラリの名称」と「保存先」を指定します。
- 設定後、「保存」ボタンをクリックします。
- 2イベントの新規作成
- ライブラリを作成すると作成した日付のイベントが自動で作成されます。
- イベントとは、動画やBGMなどの各メディアを分類し、管理を容易にするためのフォルダです。撮影日、撮影場所、チャプターごとなど、ユーザーの設定した基準に基づいてメディアを分類することができます。
- イベントがない場合は、画面上部の「ファイル」→「新規」→「イベント」の順にクリックして、新規作成できます。
- ライブラリ内では、複数のイベントを作成することが可能です。
- 3プロジェクトの新規作成
- 次に、サイドバーに作成されたイベント内に新規プロジェクトを作りましょう。プロジェクトとは、具体的に動画編集を行う場所や基盤を指します。
- 画面下部の「新規プロジェクト」をクリックするか、あるいは画面上部の「ファイル」→「新規」→「プロジェクト」の順にクリックして、新規作成できます。
- プロジェクトを新規作成する際、プロジェクト名や解像度、フレームレート、コーデックなどを設定できます。
- 設定後、「OK」ボタンをクリックします。
(5)Final Cut Proの使い方❸ :初心者向け動画編集方法
続いて、Final Cut Proの使い方(動画取り込み、カット・トリミング編集/文字・テキスト入れ、書き出しなどの動画編集の手順)を解説します。初心者の方はぜひ参考にしてください。
動画の取り込み・配置
まず、動画の取り込み・配置方法を解説します。
-
画面の左上にある「下矢印」をクリックするか、あるいは、Finderから動画ファイルをFinal Cut Proのブラウザにドラッグ&ドロップして、インポートできます。
-
読み込んだ動画素材はブラウザに保存され、ドラッグ&ドロップして動画ファイルをタイムラインに配置してください。クリップの順番を並び替えたり、クリップ間に新たなクリップを挿入したりできます。
カット・トリミング編集
-
クリップをタップして選択します。スキマーを左右に動かして、カットしたい場所に移動して、Command+Bキーを押すことでカットできます。
-
削除したいクリップまたは範囲を選択し、「Delete」キーを押して削除できます。
ミュージック(BGM)の追加
次に、ミュージック(BGM)を追加していきましょう。
-
画面の左上にある「下矢印」をクリックするか、あるいは、Finderから音楽ファイルをFinal Cut Proのブラウザにドラッグ&ドロップして、インポートできます。
-
インポートした音楽ファイルをタイムラインにドラッグ&ドロップして配置してください。
-
後は、Final Cut Proの音楽編集機能を活用して、クリップの順番を並び替えたり、ミュージック(BGM)の長さをカット・トリミングしたり、ボリュームを調整したり、フェードイン・フェードアウトさせることができます。
- 長さのカット・トリミング:操作手順は動画の長さのカット・トリミング編集と同じです。カットしたい音楽クリップを選択して、スキマーをカットしたいフレームに移動し、Command+Bキーを押し、選択した音楽クリップはスキマーの位置でカットされます。
- ボリュームの調整:クリップに表示されている横線を上下に動かすことで、ボリューム(音量)の調整が行えます。
- フェードイン・フェードアウトの追加:クリップにマウスオーバーすると、クリップ左右の最端にフェードハンドルが表示され、ドラッグでフェードイン・フェードアウトを追加できます。
文字入れ・テキスト追加
次に、タイトルクリップ、テキスト・文字を追加していきましょう。
-
画面の左上にある「T」→「タイトル」をクリックして、好みのスタイルを選択して動画クリップの上にドラッグ・ドロップすると、文字・テキストが追加されます。
-
編集したいテキストのクリップを選択し、右上のインペクタでは「テキスト・文字の入力」「フォントの選択」「フォントサイズの調整」などを細かく設定できます。
-
右上のパラメーター画面の何もない所でダブルクリックして、隠れていたステータスが下に追加され、「フェース」の表示をクリックしてください。
-
表示されたステータスから「カラー」をクリックして、表示されたパレットから好きな色を選択すると、テキスト・文字に反映されます。
-
ビューアで文字例をドラッグし、適正な位置に移動できます。
エフェクトとトランジション効果の追加
次に、動画やテキストにエフェクト・トランジション効果を追加していきます。
-
右上のパラメーター画面の何もない所でダブルクリックし、パラメータ表示を縮小できます。
-
タイムラインの一番右のアイコンをクリックし、トランジション画面が開きます。
-
「すべて」→「好みのトランジション効果」を選択して、動画またはテキストにドラッグ・ドロップして適用できます。
動画の書き出し・共有
最後に、編集した動画は下記の手順で書き出します。
-
画面右上の「↑」アイコン→「ファイルを書き出す(デフォルト)」をクリックして、書き出し設定を開きます。
-
そこで、「設定」タブをクリックして、「フォーマット」「ビデオコーデック」「解像度」などの書き出し設定を確認でき、「次へ」をクリックします。
-
「名前」を付けてから、「保存」ボタンをクリックしましょう。書き出された動画は「Finder」で確認できます。
以上、Final Cut Proの特徴・機能やダウンロード・インストール手順、具体的な使い方をご紹介しました。
Final Cut Proには動画編集に必要なほとんどの機能が揃っているので、使い方を覚えておくと便利です。また、無料版でも十分に役立ちますので、初心者の方は、まずFinal Cut Proの無料版を試してみてください。
(6)Final Cut Proと他の動画編集フリーソフトを徹底比較
以下では、Final Cut Proと、無料で利用できる動画編集ソフトをいくつか比較し、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
機能/ソフト | Final Cut Pro | VideoProc Vlogger | DaVinci Resolve |
---|---|---|---|
動作環境 |
macOS | macOS、Windows | macOS、Windows、Linux |
無料版 |
90日間 | 一切制限なし | 機能制限あり |
価格(有料版) |
36,800円(税込) | 0円 | 41,980円(税込) |
主な特徴・機能 |
直感的な操作性 高度な機能 高い安定性 買い切り型 Mac専用 |
初心者向け 軽量で動作が軽い 基本的な動画編集 完全無料 |
高度なカラーグレーディング機能 無料版でも十分な機能 有料版はさらに高機能 |
マルチカム編集 |
✅ | ❌ | ✅ |
要求スペック |
比較的高スペック | 比較的低スペック | 比較的高スペック |
デメリット |
@、Windowsでは使用できない;A、価格が高い;B、アップデート頻度が少なく、新しい機能が追加されるのが遅い; | @、高度なカラーグレーディング機能やマルチカム編集機能は搭載されていない;A、起動するたびにメール登録を促される; | @、システム要件が高め;A、操作を覚えるのに時間がかかる; |
無料でお試し |
ダウンロード先 » | ダウンロード先 » | ダウンロード先 » |
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(7)Final Cut Pro無料版の使い方まとめ
本記事で解説したFinal Cut Proの使い方はほんの一部です。Final Cut Proをはじめとする動画編集ソフトには、覚えきれないほど多くの機能があります。まずは基礎を実践し、徐々に難しい機能に挑戦すると良いでしょう。
また、Final Cut Proだけでなく、VideoProc VloggerやDaVinci Resolve、Clipchamp、AviUtl、Shotcutなどの無料動画編集ソフトも比較材料として使用することが重要です。これも頭に入れておいてください。