【2024年】次世代コーデック「AV1」と「HEVC/H.265」の違いを比較!
インターネット動画配信サービスの発展によって、動画圧縮技術も大幅に進みます。
近年、より高い圧縮率を実現する新たなビデオコーデック(動画の放送や配信の中核技術である映像符号化方式)はどんどん出されています。
特に言うべきのは、アップル社が開発した「H.265/HEVC」、及びAlliance for Open Mediaが開発した「AV1」が注目されています。
今回の記事では、最先端なビデオコーデック同士である「HEVC」と「AV1」を解説して各方面で比較しましょう。
目次
(1)「HEVC」と「AV1」コーデックが生まれた理由
まず、動画の画質とファイルサイズの関係を理解しましょう。
動画のビットレートをを上げると、画質は綺麗になるが、その分ファイルサイズも大きくなります。
超高精細な画質を楽しむために、膨大になるファイルサイズを我慢する必要があります。
膨大なファイルサイズによって、保存も、投稿も不便だし、インターネット上で再生するには帯域幅やトラフィックを余計に消費することとなります。
解決策として、「HEVC」と「AV1」は、より高い圧縮率を誇る次世代のビデオコーデックとして開発されたのも当然なことになります。
それに、新しいテクノロジーの発展も、ユーザーのニーズも「HEVC」と「AV1」の活用と普及には有利です。
- ❶.5G時代を迎えます。
- ❷.ハードウェアアクセラレーション技術が向上します。
- ❸.4K、HDRといった高画質化技術、及びVR技術のますます広く普及します。
- ❹.PCやスマホの性能とスペックが年々に大幅にアップします。
- ❺.高精細な映像を視聴したい人達ちもますます増えます。
近い未来、「HEVC」も「AV1」も動画の閲覧・活用シーンに大きな影響を与えると期待されています。
(2)HEVCとAV1の定義・特徴・扱い
H.265/HEVCとは
H.264/MPEG-4 AVC後続の動画圧縮規格の一つです。2013年に標準化されて国際規格となります。両団体からの共同チームにより開発されたため2個の名前を持っています。
H.265/HEVCの特徴
- ❶.これまでH.264では画面解像度とビットレートの上限は「60fps」+「4K」だが、H.265からは「300fps」と「8K(7680×4320)」までサポートしています。
- ❷.従来のMPEG-2比で約4倍、H.264/AVCとの比較でも約2倍の圧縮性能を有しており、H.264の半分のデータ容量・ビットレートで同様の画質を表示することができます。
- ❸.既存のプロトコルと比較してビット伝送速度が著しく低減します。
- ❹.H.265/HEVCでは、ブロッキングノイズを除去するための仕組みが強化されます。
H.265/HEVCの扱いは?
- ❶.現在はiOS 11 以降を搭載したiPhoneやiPadなら、H.265/HEVCフォーマットでビデオを撮影できます。
- ❷.macOS High Sierra以降を搭載したMacなら、H.265/HEVC形式のメディアを表示、編集、複製できます。
- ❸.DJIドローンの MAVIC2 Pro / MAVIC2 Zoom / Inspire2 / Phantom4 Proシリーズです。
- ❹.ネットフリックス、Amazonプライム・ビデオ、YouTube 、dアニメストア、ニコニコ動画、Channel 4K、ケーブル4K、Ultra HD Blu-rayなどもH.265/HEVCに対応可能。
H.265/HEVCは複雑かつ高額なソフトウェア特許ライセンスを用いているので、業界では幅広い対応が進んでいるが、先はまだまだ遠いんです。
もっと読む:【HEVC編集ソフト】H.265/HEVC対応の動画編集ソフトおすすめ>>
AV1とは
AOMedia Video 1でもあるが、非営利団体のAOMedia(Alliance for Open Media)によって開発されており、2018年3月28日に正式に公開されたオープンソースかつロイヤリティーフリーの動画圧縮コーデックです。
AV1は、主にGoogleのVP9に基づいて、DaalaとThorとVP10の技術を組み込んで開発されて、GoogleのVP9やAppleのHEVC/H.265の置き換えを目指しています。
AV1の特徴
- ❶.ロイヤリティフリーの(特許)ライセンスを用いて、誰もが無料で使えることができるので、動画配信大手の米ネットフリックスなど多くの企業がAV1の採用に傾き始めました。
- ❷.AV1が技術面でH.265をしのぐ高い実力を備えて、同じ画質で比較した際VP9比で22〜27%、HEVC比で30〜43%ほどビットレートを削減できるというのです。
- ❸.有名なIT企業たちAmazon、アップル、ARM、シスコ、Facebook、Google、IBM、インテル、マイクロソフト、Mozillaは開発の中心を担って、NVIDIA、Netflix、Adobe、AMD、Broadcom、Hulu、ソシオネクスト、VideoLAN、Xilinxなどが「AV1」への支持を表明していることに加えて、ついにアップルも参加したことで、AV1は次の標準規格になる可能性が一段と高いのです。
AV1の扱いは?
- ❶.ウェブブラウザ:Google Chrome70以降、Mozilla Firefox 67以降、Microsoft EdgeのChromiumベースのプレビュー版、Opera 57です。
- ❷.メディアプレーヤー:VLC media player 3.0、mpv v0.29.0、MKVToolNix v22.0.0、Bitmovin v1.50、MPC-HC v1.8.1です。
- ❸.デコードソフト:VideoProc、FFmpeg 4.0、GStreamer 1.14、MediaInfo v18.03。
AV1は業界ではだんだん人気を集めているけど、一般的なユーザーにあまり向いていない段階です。
(3)H.265とAV1のデメリット・欠点
H.265とAV1は、一番圧縮率が高い動画圧縮コーデックとして、画質とファイルサイズの間で良いバランスが取られて高く評価されています。しかし、その反面、エンコード時間や圧縮率に対する演算コストが膨大になるデメリットもあります。その結果、
- ❶.高い処理性能を持つハイスペックなパソコンが必要です。
- ❷.エンコードが非現実的なまでに低速で、莫大なエンコード時間をかけます。AV1はH.265より符号化処理(エンコード)で約6.7倍、復号処理(デコード)で約2.5倍の時間がかかるようです。
それにおいて、ハードウェアアクセラレーション技術のようなハードウェア方面からの支援は非常に重要です。ハードウェアビデオアクセラレーションを活用することで、エンコード時間が大幅に縮められます。
現時点では、H.265 はリモートグラフィックやビデオのハードウェアアクセラレーションに対応できます。業界団体の努力でAV1もすぐに追いつくでしょう。
(4)その他、H.265とAV1の違いは何か?
<H.265/HEVC>
コンテナ: [MP4]
音声フォーマット:[AAC]
<AV1>
コンテナ: [WebM]
音声フォーマット:[Opus]
ベースバージョンのコーデック
10/12ビットのエンコーディング
色空間:[BT.2020]
(5)H.265とAV1どっちがいい?
H.265とAV1どっちがいいかは使用用途や要望によって異なるので一概には言えません。
最先端の次世代コーデックを使用したい、またはトラフィックや帯域幅のコストを削減したい場合、AV1は最適です。
一方、どんな端末やデバイスでも使えるため汎用性が一番高い形式がいい、またはリアルタイムの低レイテンシエンコーディングが必要な場合はHEVCをおすすめします。
また、時間が経つにつれて、AV1(およびその後継者)への段階的な切り替えとともに考慮する必要があります。
(6)H.265とAV1に対応可能な変換ソフトおすすめ
インターネットからダウンロードしたH.265やAV1コーデックを採用した動画を他の主流であるフォーマットに変換したい場合があるでしょう。
または、HDD内に山積している動画ファイル(TS、MP4など)を高圧縮率のH.265/HEVC、AV1コーデックで再エンコードしたい場合もあります。
その時、H.265とAV1をサポートする動画変換ソフトが必要となります。ここでは、機能性や、操作性、安定性など各方面を考えて「VideoProc Converter」をおすすめしたいと思います。
VideoProcでできること
- ❶.H.265、AV1ファイルを他の形式(4K、FHD、MKV、TS、AVCHD、MP4、MOV、AVI、FLV)に変換できます。
- ❷.ほぼあらゆる動画形式をH.265で再エンコードすることができます。
- ❸.カット、結合、クロップ、テキスト、テロップ、フィルタ、ノイズ除去、回転・反転、音声抽出など動画編集の基本機能も搭載されます。
- ❹.使い方はシンプルで簡単で、たた3つのstepでH.265とAV1のエンコード作業を完了できます。